【解説】
そして解説です。
弁論主義第1テーゼに反しないかが問題となります。
以下の様に見解が分かれています。
●判例
⇒法的効果に変わりはないから、弁論主義に反せず、判決はできる。
要は主張がないのに判決してしまったわけです。これに対しては、当然批判があります。
●学説(判例否定説)
・弁論主義の不意打ち防止機能から認められる裁判所は当事者の主張しない事実を裁判の基礎とすることができないという弁論主義の第1テーゼは、主要事実について適用される。
・主要事実とは、法律関係の発生等に直接必要なものとして法律が定める要件に該当する具体的事実である。
・代理との関係でいえば、授権及び顕名は、民法第99条によれば、本人BではなくCが締結した保証契約上の権利義務がBに帰属するために直接必要な事実であるから、先の定義上、主要事実に当たり、その主張なくして判決はできないはずである。
※これに対しては、代理人が証人尋問で代理行為を行ったことを述べており、当事者に不意打ちのおそれがなかったのではないかと指摘する学者もいます。ただし、証人尋問の結果は、主張ではなく証拠なので、訴訟資料とし証拠資料の峻別からは、怪しいところです。
●その他
・法的観点指摘義務の問題として検討する見解もあります。
・具体的事実主張の中で使者による契約と認定できる場合は弁論主義の問題にならないとする見解もあります。
・契約をした者について本人と限定していない限り、代理人により契約を締結したという事実主張が含まれていたと考える見解もあります。
ちなみに、昔中大ローでこの論点が出題されました。
以上
※その後柿山先生から指摘がありました。司法試験でも出たそうです。
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