はじめに
以前、Twitterの質問箱にこのテーマについて質問を頂き、実際に室員から話を聞いて、【公開記事】空の塔と、大学(法職)や予備校等との両立をアップしました。
人によって理由は様々ですが、授業や多摩研が忙しいため、予備校に入るため、アルバイトが忙しいため、家庭の事情で勉強に時間を避けないため、別のことを勉強したいため、空の塔を休会又は退会したいというご連絡を頂くことがあります。
休会という制度は、室員管理が困難なので、できないのですが、退会については利用規約に従い、2週間前までに手続を踏んでいただければ(手続の方法については、高野までslack上でDMをください。)可能です(ただし、従前からご案内のとおり、2021年4月からは半年毎の更新とさせていただきます。)。
もっとも、空の塔は、予備校や大学とは似て非なるものだと思いますので、両立させるべきであると考えています。
たしかに、室費がかかる以上は毎月積極的に活動してナンボだという考え方もあるでしょうが、ROM専でも室費相当の価値は十分あると思っています。
積極的に企画に参加できなくても、空の塔の室員として、(忙しい中でも)自分にとって必要な情報のみ触れて、興味のあるもの(例えば、自主ゼミ・オンラインOBOG訪問等)に参加したりする、時間ができたときに講義動画を見るというだけでも、十分意味があるのではないかと思います。以下その理由を詳細に説明させてもらいます。
講義やゼミ等について
予備校は受験対策に特化しており、それ自体は中央大学の多摩研や空の塔よりも、当然質は高いと思いますし、相当な高い費用を払って受講しているわけですから、そうあるべきだと考えています(予備校の講師はそれを本職にしている方が多いですが、空の塔の弁護士や講師は全く違います。また、大学の受験指導も空の塔に近いと思います)。
とはいえ、空の塔では、受験指導という意味では、予備校には及ばないでしょうが、優秀な予備試験合格者が皆さんのために練りに練ったゼミをしてくださっているので、質の高いコンテンツを定期的に配信できると思います。
もちろん、予備校に費用を支払う必要があれば、講義自体は予備校で受けることを否定するものではなく、それで全く問題はないと思いますし、そちらの方が良いかもしれません。また、すべてのゼミを受講せよとは言いませんが、苦手としているものや、関心のあるものだけを受ける(他は大学の講義やゼミで補う)ことは十分考えられると思います。
ただ、司法試験は、単純に良い講義を受けて自学自習すれば合格できるか(あるいは最短で合格できるか)というと、そうではないように感じます。
適切に情報収集をして、正しい勉強方法をとり(もちろん、何が正しいかというと、人それぞれだと思いますが、客観的に見て、例えば、基本書や判例集を読み込むことを重視して問題演習を疎かにするなど、「それ大丈夫?」と思ってしまう取り組みをされている方を見かけます。)、優秀な仲間と情報交換しながら切磋琢磨することかが非常に重要であり、そういった環境に(強制的にでも)自分の身を置くことが大事であると考えています。
したがって、個人的な意見としては、予備校や大学の講義を中心にする場合には、空の塔には所属し続けたうえで、空の塔のメンバーと繋がりを持ち、自分の勉強が正しい方向に進んでいるのか、勉強の進度や、実力が他と比べてどの程度なのかを定期的に確認・把握できる状況にしておくのが賢明であると思います。
また、もちろん、空の塔の中で、気になるゼミや答案添削企画があれば、それだけ参加すれば良いと思います。
2.相談できる環境について
ご承知のとおり、司法試験合格までは非常に長い道のりであり、予備試験ルートの早期合格者でも、トータル3~4年くらいの勉強期間が必要になってきます。
ロー経由の場合には一発合格でも大学入学から6年以上の時間がかかります。
私自身も実際に受験勉強を経験して感じますが、それは本当に地道な作業です。相当大変です。特に、1年生の入学当初から合格まで淡々と勉強をこなせるかというと、多くの方がそうではないと思います。
例えば、どんなに優秀そうな方でも、授業が忙しかったり、アルバイト・サークル・遊びが楽しかったり、男女関係や友人関係で嫌な思いをしたり、そういった中で思ったように勉強が出来ず、挫折してしまう方を多く見てきました。
一方で、そのような挫折をしても、乗り越えて合格を勝ち取った方も同じようにたくさん見てきました。
このように、色々な人を見てきて思うのは、何か自分が困った時に、相談できる環境があることの大切さです。
全員が全員とは言いませんが、そういった環境を持っている人の方が、最終的に良い結果(司法試験受験を止めて別の道で成功している方も含みます。)を勝ち取っているような気がします。
そして、その環境とは、家族や近しい友達でも良いのかもしれませんが、同じような経験をしたり、今まさにその経験をしている、先輩・同期・後輩の話を聞けることは、ご自身を客観的に分析する上でも非常に重要なことであると思います。
予備校では、受験勉強に関しては相談できる環境は十分にあるのだと思いますが、①法曹としてのキャリアの相談、②大学(多摩研含む)・アルバイト・サークル・予備校との両立方法・経験談、③中大生だからこそ気になること(例えば、他大学の学生との比較)に関しては、なかなか相談できる環境はないでしょうし、予備校にはこれらを適切にアドバイスする経験も知見も少ないと思います。また、大学では、実務家教員の授業を受けることで、実務のことを知ることができると思いますが、やはり生の声を聞ける機会はコロナ禍であることも相まって、少ないのではないかと推測しています。
しかし、地道に、やる気を失わず長期間の受験勉強を継続していく上では、実はこのような相談ができる環境が極めて重要であると思っています。
勉強に関することは自分で文献を調べれば解決できることも多いですが、以上で述べた①~③のような話は、本を読んだり、インターネットで調べても分からないでしょう。
空の塔に所属していれば、この点は(コロナ禍であるかにかかわらず)オンライン上で実際に弁護士や講師、学生スタッフ(先輩)と話をすることができるので、解決の糸口になるのではないかと思っています。
3.実務家・ロー生との繋がりについて
2と話が重なりますが、予備校では、(もちろん圧倒的なコミュ力があれば別であると思いますが)基本的に、学生間の縦の繋がりや横の繋がりが希薄であると思います。大学でも、多摩研だけの所属だと、なかなか交友関係を拡げるのが難しいのではないかと推測します(私自身、1年生の時は多摩研だけの所属でしたが、炎の塔で勉強している仲の良い同期は片手で数えられる程度でしたし、先輩の知り合いはいなかったので、相当な「情弱」だったと思っています。)。とりわけ、OBOGなどの実務家・ロースクール生との交流はほとんどないと思います。
他方で、空の塔では、ご承知のとおり、弁護士や講師が多数所属しており、気軽にDM等で相談をすることができますし、相談しやすいように、質問箱も設置しています。
また、オンラインOBOG訪問などを通じて、実務家の仕事ぶりも知ることができます。
それ以外にも、コロナ禍でできることを、日々検討しています。
4.最後に
他にも気になることがあれば、遠慮なく、ご相談ください。
空の塔に入室を希望される方は、入室方法をご確認ください。